ステージ・レポート

2007年12月17日

マジシャンの手…ゲートシティ大崎クリスマス2007

クリスマスファミリーイベント2007『山上兄弟イリュージョンショー』13:00? /15:00? ゲートシティ大崎 B1アトリウム (品川区大崎)
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 ハーフミラーになったカーテンウォールの高層ビル群が、入射角の浅い冬の陽光をとめどもなく周囲へと反射させている。火星年代記の『ロケットの夏』のように、ビルの谷間の低層の建物が束の間の昼に覆われる。東京都品川区大崎。ゲートシティー。アトリウム。目黒川はわざわざ建物の背後へと回りこみ、ビル風が水盤を押してサンクンガーデンの大気が寒暖の入れ籠と化していた。
 
 男の子が凝視する視線の先に同じ歳格好の男の子。
黒いクラッシックミリタリーをまとった暁之進君がモスグリーンのペンシルバルーンをそろそろと飲み込んでいるところだった。1時からの回では青い風船で見たし、他所のショーでも見た。けれども傍らで男の子が「口で息をする」のが気になった。
「ゲンキ君…。口(くち)!」
声を殺し、私は言う。6年生は数マイクロ秒の早さで口を閉じたらしかった。
「ホントに飲んでないよね?」
「飲んでるワケないでしょ。」
マジシャンだ。

 風船ではなく、いい加減熱湯と思われるスープを毎朝そそくさと飲み込んで出かけてゆくゲンキを待ち構えているのは、ガランドウ状態に近い小学校だ。集団登校「免除」のプリントが数名の保護者に配られる。校長先生と生活指導の先生の名前が印刷されていて、紙一枚だが内容は召集令状だった。学校の有る日、彼らは必ず他の子どもより45分早く登校し、高学年の下校時刻5分後に帰途につく。
「あなた、なんで今年も風紀委員なんてなったの?」
「いいじゃん。オレ、こういうの好きなの。」
「休みの日とかって無いの?交代とかでやってもいいんでしょ?」
「しょうがないじゃん。副委員長なの。よけいなお世話。行ってきます!」
あなたが好きなら仕方ない。勝手にしなさい…どうせ私にできる仕事じゃない。

 私が山上兄弟の追っかけをやっている副作用というもので、それでも彼はいろいろなことを言う。
「2回目のフラフープがアッキーのソロになったのは、ステージが狭いから。」
…これはゲンキなりにステージのキャパシティを読んでいるということらしい。
「オレなら、上や後ろからこんなに人が見てるところではやらない。」
…「やらない」んじゃなくて「できない」んでしょ?クラスのお楽しみ会の出し物と一緒くたにする気か?
「ハンドベルのステハンがめちゃくちゃだったことに気づいたとき、『少々お待ちください』なんて気の利いたことを言うのはアッキーらしい。」
…それは、たぶん違う。B型の男の子だから言ったりするのだ。
「一回目のステージで良くなかったことは、2回目のステージで直ってる。」
…わたしも、そこは山上兄弟らしい仕事ぶりだと思う。メインクルーはお母様に違いない。内助の功は息子にもあてはまったりするのだ。
「アッキーの洋服が上も下もぴちぴちなのは、絶対に誘惑してるよね。」
…はぁ?何いってるの?バッカじゃないの?オジサン小学生!
「アッキーが風船飲んで剣刺しボックスに入ったんだから、ヨッチが前を開けて見せたときには、中に長い風船が残ってなきゃヘンなんじゃない?」
…こういう王道の演出を小学生が考えられるものなのか?それとも小学生ゆえの発想なのか?山上兄弟事務所の演出部門にゲンキの就職口があるといい。内心思わずビックリする。
 どのご意見にもたいてい暁之進君の名前が出てきたことに気づいたのは、2回目のステージで佳之介君がマーリン本から銀バトを出したときだった。
「だって、あいつ、イイやつなんだもん。」
「あなた、アッキーが『イイやつ』なんて、なんでわかるの?」
「だって、握手したことあるし。」
「あー!またそれか。そればっかりでしょ?」
「オレにはわかるの!仕事なんだから仕方ないじゃん。」

 21世紀の日本の小学校にいまだ「風紀委員会」なるものが残っているのは驚きに値する。委員会の目的が「学校の風紀を守る」ことだというのは理解できる。だが、具体的には全校児童全員と1日2回握手をするのが主な仕事らしい。
「オカエリの1~2年生とも必ずやるの。昼休みの終わりか5時間目の終わりに1年生や2年生が黄色い帽子かぶって集団下校で正門のピロティーに列を作ってるから。」
「握手なんかして、学校の風紀が守れるのかねぇ?」
「うるさいなぁ。子どもが真剣にやってる委員会活動に、ごちゃごちゃ言わないでくれる?」
「だって、関係ないでしょ?握手とフーキ。」

 最初は「やっぱりマジシャンの掌だった」という感慨深げな一言。
「なんかね、さらさらしてるの。それで、吸い付くみたい。オレっちの学校に、あんな手をした子は一人もいない。やっぱ、ギネス認定のマジシャンなのかー。」
「さらさらしてるって、ステージ子役なんだからたぶん手にだってメイクしてんのよ。ドーランとか。」
「だから、吸い付くみたいなんだって。しかも、2人とも同じなの。あれがプロのマジシャンの手なんだよ。トランプとか、赤い玉とかが、シャキッって手に吸い付いたりするんだよ、きっと。」
「そうなの?ホントに…?」
CDを買って、サインをもらわずにゲンキは握手をせがんだ。最初はヨッチ。次にアッキー。彼は戻ってくるなり上気した頬をキラキラさせて「あれはマジシャンの手だった」を繰り返した。

 山上兄弟はいよいよ『あしたのきのう』を歌っている。歌が更新されてからルーティンの構成が変わり、まだ落ち着かない。ヨッチはしゃべっている声と歌の声がもう違っている。声変わりしつつあるヨッチの声もステキ。さらにクリスマスバージョンのステージ展開で暁之進君が何の前触れも無く「かわいい花」を横咥えしたりする。ハワイで42キロも走って(歩いて?)まだ1週間もたっていない2人は慌しくゲートシティーのアトリウムで仕事をこなした。

「暁之進君は、とっても優しい子。」
「どうして断定するの?そんなの、握手しただけでわかるわけ無いじゃない。」
テレビを見ていると、未就学児と思しき究極のオチビさんたちが、吸い寄せられるように暁之進君の方にだけ集まる様子を見ることがある。「ヨッチの方がニコニコして優しそうなのになぁ…」私的には年来の謎。6年生のゲンキがその「幼児のカン」を保持しているのも驚嘆すべき現実だ。
「もう2回めの委員なんだよ。全校児童何人いると思ってんだよ。握手をすれば、オレはその子がどういう子なのかわかるの。」
算数が死ぬほど嫌いな私でも、概算すれば彼が日にのべ700人もの子どもと学校の正門の内側で握手をしていることがわかる。1年間が約50週で夏休み冬休み抜いて40週だとしても、総トータル14万回近くもの握手攻めだ。さすがの人気者・山上兄弟も、この天文学的数字には勝てないと思う。
「じゃあ、佳之介君の方はどんな子なのよ?」
「オレの前にいる人と、ほとんど同じ性格ってことは言えるんじゃないの?」
わたし?もしかすると当たっている。…恐怖!
「それって単なる血液型別性格判断でしょ?誰かがゲンキ君と握手しただけであなたが『レバーの煮たのとカボチャの煮付けが死ぬほど嫌いなくせに、レバ刺しとパンプキンパイが大好物の超・ド・変なヤツ』なんて当てられるわけないでしょ?」
「うるさいなぁ!ウゼェ!ともかくアッキーは優しいヤツなの!じゃあね。バイバイ!」
大崎から電車乗って一人で先に帰ってしまえ!どうせスイカ1枚で事足りる。

 私たちは大崎ゲートシティーのアトリウムによくやってくる。1階のスタバでスイーツを物色し、御殿山通りの急坂を上って原美術館の住人にもなる。21世紀、今やアートは子どもにも判るセクシーなエンタテイメントだ。子爵さまのご邸宅の屋上で「まるまるちびまる子ちゃん」のテーマを4~5回のインターバルで踊り、二人してカフェになだれ込んではイミシンなイメージケーキを食べたりする。山上兄弟が大崎にやってきてくれたのは嬉しい。彼らはいつかまた、ここでタップを踏み、私とゲンキは再びそこで「握手」の話をするのかもしれない。
 山上兄弟がステージの最後に手を振り、一瞬のうちにハケるのは出色の演出だ。数年続くその鮮やかな撤収の姿は褪色とは無縁。夢のようなひとときは全く変わっていない。すばらしいことなのだが、その理由はファンにもわからない。
「だからさぁ、マジシャンは必ず手の中を見せて言うんだよ…『たねもしかけもありません』って。」
投げ置くように言って現実の世界に戻ってきたゲンキの視線の先には、ニコニコよっちとお茶目なアッキーの「ありがとうございましたー!バイバーイ!」と打ち振る「マジシャンの手」が、ぱらぱらと扇形に揺れていた。

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最近の山上兄弟 2007年秋~冬

 まず、2人の声を聞いて欲しい。
声変わり直前で、それをがんばって「超キュート」な感じにキープしようとしているヨッチャ。子役の男の子が「キュート感」をキープしようとするのはすっごく大変。本人の自覚があって、本人も周囲の大人たちもすっごい努力をしなくてはいけない。最後には負けるとあきらかに分かっている戦いを12歳とか13歳とかの男の子が玉砕しないよう制御しながら戦っていく。「結果は判ってる。いいんです。この僕を楽しみに待っているお客様がいるのだから、1ステージでも多く…」という信念を持っていなくてはいけない。彼らにとっての子役人生は「最後にどうなったか」じゃなくて「どれだけたくさんの人を幸せにできたか」の勝負。立派な男の子の子役さんは、本体がオジサンになってもたくさんの人の心を助けるのだ。でも、残念なことに、そういうシアワセな子役人生をもらえる少年子役って、ほとんどいない。
 対する暁之進君の声は素材としては今が旬!食べごろ。もう、ステージで何かしゃべっていてもらえればそれでシアワセ。「山上兄弟情報!」のカンペをお兄ちゃんに押し付けて読んでもらおうなんて、許しがたいことです!わたしたち、ハスキーで発音の明瞭な王子のようなアッキーの声を一秒間でも長く聞いていたいのです。
 最近、箱抜きもののイリュージョン…仮称「ファンボックス」(?)のがメインにはいってきて、例えば「東京あいさつフェスタ」では、これがほぼ唯一の出し物(マーリン本をその前にチラッとやった)だったりするのですが、とても難しい。お客様が落ちる瞬間として脳裏に浮かぶのは、多分、この箱がガッ!って一瞬で展開してチェーンでひっかかってるだけっていう情景。一方、現状では、お客様は、よっちゃんたちがブレードをつっこむのにつきあわされて、箱もぷわぷわって危なっかしく開いていく。山上兄弟は演技でこれに抗する事ができない。だってアッキーなんて箱の中に完全に入っちゃってるからね。ヨッチは彼の体格に比べればちょっと大きめのブレード刺すのに夢中。カラメ手で見せるのなら、切った部屋を一つずつ展開していくとか。ビジュアルなセンセーションでバッと落とす事ができないのがちょっと見ていて大変そう。
 今が旬の暁之進君、最近風船飲んでます(よい子はまねしないでね…って、できないです、普通!)。それはそれでエロスな感じもして私たち大轟沈なのですが、その後でアッキーが「オエッ!」ってな形相でステージ袖(主にかみ手であることが多い)にみょごみょご入って行って風船を吐いてくる姿が、まことに山上兄弟っぽいコミカルさが滲み出ていて大好きです。暁之進君って、先ほども出てきた「あいさつフェスタ」でよっち兄ちゃんと口喧嘩のお芝居して、あとはチラとマジックして、だいたい1時間15分ぐらいずっとステージの上で座りっぱなしだったんだけど、水のペットボトル1本で最後までがんばっていた(?!)。2年前のアッキーだったらおそらく無理?…というか、私たち素人なら現在でもどだい無理。日々芸人として成長しているのね暁之進k!

 ルーティンとしては、鳩出しマジックの流れが上手に整頓されたことで、逆に山上兄弟らしいかわいらしさや子どもらしいテンポの良さが生きている?好印象。これはやっぱりプロ。ぱたぱたと一気に見せて行く面白さが、まんまるオメメのアッキー君の表情や客席にはにかみながらニッコリとアイコンタクトをとるヨッチお兄ちゃんのキュート感を増進させてくれています。
 さて、「あしたのきのう」のリリースを受けて、しばらく30分レギュラーのBGMの落ち着かない時期があったのですが、秋以降「ホップステップマジック」「まじかるまじかるてじなーにゃ」の2本がきちんと収まって、ヘビーなファンにも納得のいくオーダーに再編完了!でも、「あしたのきのう」のアッキーって、あのフリツケを一生懸命やってるわりには相変わらずムチムチなんですけど…金返せビリー!でも、お洋服きつそうな暁之進君の姿を見ていると子どもっぽい体温の高さが感じられて何となくホッとするし、暖ったかい気持ちにもなれる。きっと、確信犯的にそうしているんだわ…。この勝負、またしても山上兄弟の勝ち!? てじなぁ~にゃ!

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2007年08月04日

スキ!スキ!暁之進クン!エロエロ・アッキーの邪悪な微笑みに多治見文化のお姉さま&おばちゃまたちザラキーマで壊滅?!

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『サマータイムガーデン2007~ みんなおいでよたじみごっこ 「夏」!~びっくりどっきり!マジカルサーカス!山上兄弟&きまぐれサーカス!』 11:30~ / 3:00~ 多治見市民文化会館大ホール 全席指定1000円 (岐阜県多治見市)

1.劇場版NewType始動!

『サマータイムガーデン2007~ みんなおいでよたじみごっこ 「夏」!~びっくりどっきり!マジカルサーカス!山上兄弟&きまぐれサーカス!』というえらくひっちゃかめっちゃかに長ったらしいタイトルのショーは、文化会館の屋内外を問わず施設一杯に展開されたたくさんの「おまつり」縁日イベントの最後の最後のクライマックスをかざるトリトリのショー。山上サイドからすれば、中学生ヨッチ&新曲ベースのNewType30分レギュラーとしては初めての劇場公開バージョン(30分でないものや、劇場以外のイベントのもの、クローズのものはそれ以前にもあった)。

「よっちーです!」「あっきーです!」「山上兄弟です!てじなーにゃ!」
…のイントロダクションが、
「佳之介です!」「暁之進です!」「山上兄弟です!よろしくお願いしまーす!」
に変わっていたり、オープニングがのっけっからヨッチャんバージョンの「剣刺しBOX」になっていたり、
あとからスカーフ・チューブが出てきて「まじかるまじかるてじなーにゃ!」がモダンアッキーのBGMになっていたり、
もちろん当然チックにエンディングが「あしたのきのう」になっていたり…の、新フォーマットがついに劇場バージョンでやってきて完成です!

2.アッキーのキラキラキララ?!

 今日の一番は、暁之進君の表情が優れて良かったことでした!もう、この悪魔の微笑みをどうにかしておくれ~!おばちゃん・おねえちゃんたち、もう全滅よ!!山上兄弟ショーを観に行っても、ヨッちゃんの営業スマイルのようにはアッキーのキラキラキララなデビルの笑顔が恒常的に見られないという水モノのレアさ加減がたまらず、またしてもイベントに足を運んでしまうという麻薬的な依存傾向が。危険すぎる暁之進スマイル。ヤバいので取り締まりの対象にしとくれ警視庁!(…本日の場合、岐阜県警ね?隣の愛知県じゃ本人が良い子のための防犯ビデオに出ていたりもするのだが…)

 しかも、客上げ「なわぬけヨッチー」では、毎度のことながらエロエロ暁之進が、ステージに上げたお父さんたちを今日も快調にエッチねたでイジるイジる!客席って、もう半分ぐらいが小学生とか幼稚園保育園の子たちだから、ぜんぜん判ってない?!アッキーもプロなので、ここんところは「台本通りです」チックなニオイを微塵もさせずに攻めて行くから、体中からぷんぷんと香り立つのは究極のヤバヤバ感!…それでも、最近は「しばるのとしばられると、どっちが好きですか?」というストレートなのを避けて「結ぶのと結ばれるの、どっちが好きですか?」というセリフに変わったのだわ。そりゃ、やっぱり暁之進王子と結ばれるのが一番良いのだが、客上げのお客様は必ず「パパさん」という興行側の絶対条件があるために、いまだに「キミ(あっきーのコトね)と結ばれたい」とカミングアウトしてしまったお客様は一人も存在しない。(存在してどーする?!)
 それに、「あしたのきのう」のアッキーって、相変わらず例の変な振付けをまだやってるんですけど…。多分、アレって著作権クリアしてないです(?)。(アメリカのBGスタープロダクションズってところが著作権持ってるらしいよ…)子どものやるコトだからドンマイってコトで?ファンとしては、フォーマルおズボンがピチピチで膝が抜けるようにしてはいているアッキー王子のポッチャリ体型維持を望むべく、くれぐれもダイエットなぞして欲しくないです(モンゴル式ダイエットなんてのもトンでもない!!(怒)絶対禁止!)

3. ヨッチ,自戒に気持ちを引き締める!

 ポッチャリとくれば、かたやハニカミなヨッちゃんなのですが、なんか、声がぱさぱさなのですわ。声変わりなんでしょうか?「あしたのきのう」もアッキーの声はきちんとナマで聞こえてくるのに、ヨッチらしい声ツヤが客席に届いて来なくて少し残念。
 まぁ、ヨッチの場合だんだん大人っぽくなっていくのもそれはそれでカッコよく進化してるっていう楽しみがあるのだが、アッキーはダメ! ヤンチャで甘えん坊でポチャポチャでいたずら坊主でB型でエロエロなセリフばっかり言ってて、でも声がハスキーで少年っぽい暁之進君だけは、いつまでもこのままでいて欲しい。最近とみに笑顔が「知念侑李君」ネライのヨッちゃんと、ド真ん中「森本(慎)ちゃん」ネライのアッキー…って、子役芸歴の長いキミたちがJr.パクっても仕方ないようにも思えるのだが…

 そういうわけでお仕事で軽くルーチン流すヨッチ君。午後のカードモンテの最中に、繰り損ねたカードが指から外れパタンと1枚とりこぼれます。一瞬のスキに起こったアクシデント。ステージ床に落ちて見えたのは、アビエイター面ではなく、あろうことかトランプ面でした。客席では何人もの人たちが「はっ!」と息をのみました。でも、一番縮み上がったのはやっぱり佳之介君本人だったのかも。大ピンチでしたが、幸運な事にお客様にそのタネはわかりませんでした。それから後、後半の佳之介君は恐ろしいくらいに演技が引き締まりました。美しいと思えるような演技でした。ファンが見れば、ヨッチが動揺していたことは判ります。きっと一見のお客様にも判ったかもしれません。それが柔らかく少年っぽい仕草や表情でお客様の胸を突く暁之進君と好対照の絶妙のコントラストで映ります。引きしまった後でも「新しいCDが22日に出ます!」「よろしくお願いします」とヨッチはたたみかけていきます。テレビオンエアの告知を最初はカンペ見ぃ見ぃ客席に放送エリアの有無を確かめたりしていたアッキーも、午後の回の『山上兄弟情報』ではもうソラで流していきます。小学生と中学1年生の兄弟が自分たちで自社グッズの営業をばんばんまくしたてるので客席は様々な意味でビックリします。演技はそれぞれのキャラで魅せて、宣伝で強力に連合する、山上兄弟ココにありのステージでした。

4.山上兄弟、客席のテンションを読む

 同じ客層で構成されていながら、今回は午前と午後の客席のテンションや食いつきが全然違いました。
午前中、ホールの外で行われている「おまつり」縁日は現在進行形で、お客様はその熱気を引っ張ってシートに収まっています。
午後の部になると今度は、それらのイベントのクライマックスは既に終わり、人々はホールへとは掃き入れられるような状況になっています。スタート時間は15時をまわっていて、ホールのショータイムはどちらかと言うと「祭りのあと」の後夜祭の雰囲気です。2年くらい前までの山上兄弟ですと、こういう客席状況の変化に自分たちの士気も流されやすいきらいがありました。けれど、今のヨッチとアッキーは踏んだ場数が圧倒的に違います。年間150カ所以上300公演を越えるステージをこなす彼らは、おそらく客席を冷静に見ることができるようになっているし、後半の客席のような食いつきの鈍い場合は逆にできる範囲でそれを焚き付けようともします。

5.山上兄弟、きまぐれさんの芸を見てぬすむ?

 山上兄弟の前の幕を再びきまぐれサーカスさんがつとめていました。兄弟の前ですから、自身のセリフでもニオワセていたように扱いはどうしても「前座」さんということになるのでしょう。しかも驚いたことにシドさんカメさんのみの2人編成でわずか30分間のバージョンでした。小さい子どもの多い客席なので穏当な長さなのかもしれませんが、山上兄弟のことを考えたらしくとてもコンパクトに切り上げられていてビックリしました。これなら、アンケートに「短かすぎる」と書くお客様もいたことでしょう。そのためか午後のステージになって、きまぐれさんはネタの増減を1コもせずにあっさりと15分間演技を延ばして見せました。プロなのです。しかも、その客上げでは山上兄弟とは正反対にオジサンたちが小学生の男の子をいじっていきます。台本中心のヨッチとアッキーとは違って客席から適確に一見の男の子を選び取り、観客に判らないようにその子の能力を2人で確かめながら自分たちの芸に使っていくのです。上げた客の動きでステージが引っ張られてしまったように見せていますが、これは実に巧妙に仕組まれた筋書きです。一人が縄を抜けるだけの山上兄弟と違い非常に危険度の高い演技を初めて会ったシロウトの小学生を使い3人でやらなくてはいけないからです。しかも、一歩間違えば大怪我もしかねないそんな高度な「技」なのに、お客様は男の子がステージに上げられてから降りるまで笑いっぱなしです。山上兄弟は舞台袖でおそらくその一部始終を見ていたと思います。この「見学」がゆくゆく思わぬところで小さな2人の芸に威力を発揮していくのは、以前にも書いた通りです。

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2007年07月19日

あのアッキーがアナタの目の前30センチでマジまじマジック?!~ザ・冒険王2007「マジックカフェ」初日レポート

ありがとう!お台場10周年ザ・冒険王2007
カフェコスタ「マジまじマジックカフェ」マジックステージ/スペシャルマジックステージ
(2007年7月14日)

 山上兄弟,2007年夏休みステージの開幕を告げるお台場冒険王の出演が、台風4号の雨の中、お台場のフジテレビ本社屋1階でスタートしました。雨!なのです。やさしい軽いオシメリ?否!多量の湿気を含んだ重い雨。軽やかな山上兄弟なのに?…いえ、山上兄弟だから?はい!ヨッチ&アッキーらしい派手な雨降りなのです。

 雨の中でロケを強行した中京テレビの「夏の体験学習 野々村先生と行く亀山」が開幕とほぼ同時にローカルでオンエアになりました。お母様が息子たちを「嵐を呼ぶ男たち」と言いきってしまいます。弟アッキーが兄ヨッチをつかまえて「この雨男!」とぼやいてしまうのです。ともかく石原慎太郎も絶句の「嵐を呼ぶ」少年たちよ!

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▲フジテレビ番宣(?)にも出ました!!「ザ・冒険王2007!DEイケメン・パラダイス」(7月19日CX 14:57~15:00) 初日の午後最後のショータイムに収録されたもの。「火9花ざかりの君たちへ」のイケメンたちがマジックカフェに乱入!だが、プレーボーイ暁之進のイケメンぶりにタジタジ...小学生がピンクのピンチェックですよぉ~ヤバすぎ! アンド、ちょっとだけ体格がしっかりしてきたヨッチ!

 それでも悪天候の中、閑散としたフジテレビ・シアターモールのとば口『カフェコスタ』を期待(?)してお台場を訪れた人たちは予想を大きく裏切られることになります。ショータイムになると小さな店内はすぐに人があふれんばかり。目隠しはあってもガラスばりのお店ですから(雨の天気だったので暗くなってしまうために、ロールカーテンが降ろせないようなのです!ラッキー!)、外から覗き込む人も鈴なりになって、「なんだ?なんだ?」と、さらにお客様が集まってきます。やっぱり山上兄弟なのです。それはステージタイムが終わって2人が奥に引っ込んでしまうと急にカフェがガランとするのでよくわかります。

 外はどしゃぶりでもノープロブレムの店内ステージではあるのです。ショータイムそのものは、そういう小さなお店の小さなステージですから10分から15分程度のすごくコンパクトなルーティンです。基本線は山上兄弟の30分レギュラーを守りつつ、箱のような道具のあるイリュージョンを全て抜いてあります。ガラスが二方に開いた店の角にディスプレイをかけたかたちばかりのホリゾンがあるという程度の扇形の台のようなステージです。マジック的にはとてもやり難いはずの一角なのですが、山上兄弟らしく苦労しながらも困った顔を見せません。

 最後に客受けの良いフラワーリングをヨッちゃんが投げて見せます。比較的高く天井が折り上がってはいても、ふつうのステージでやる時のようには思い切り良く放れません。リングは滞空時間が少ないためにきちんと広がらないまま下に落ちてきます。お客様の一番驚く一瞬を逃す危険性が十分にあります。中学生山上佳之介が「仕方ない…えいやっ!」と仕事人らしい判断を見せた美しい一瞬でした。BGMは、そういうわけでニュー・シングルの「あしたのきのう」などをほぼかけっぱなしの状態での進行。この時点ではまだCD発売日の延期の話は無く、2人は音楽に乗せて軽快なマジックを見せていきます。

 『牛乳に相談だ』のナンセンスCMでおなじみ中央酪農会議をスポンサーさんにしているカフェです。でも、山上兄弟はカフェであることも考えてナンセンス路線を取らず、ヨッチはまず穏当にやってみて様子を見ようとします。お客様が1メートルの至近で取り巻くようにして見ているので定番のミラーグラスのようなものが使えません。ワントレーに増減2連のギミックカップと増減4連のミルクグラスをセットして、それも店の奥からお客様の間を通って持ってきてもらうということをします。まるでお店のカウンターから持ってきたような「種も仕掛けも無い」感が憎いのです。それを全然うさんくささの無い可愛い中学生の男の子に持たせてマジックして片付けてしまいます。このノーマルさが「牛乳飲みたい」という欲求を呼び起こします。さすがなのです。

 山上兄弟は、このフロアのキャパシティーを事前に見ていますから,ステージを早めに切り上げてテーブルホップふうのマジックに移行していきました。恐らく山上兄弟オンリーのレギュラーの営業としては初めての部類に入るテーブルホップになると思います。難しいところはお兄ちゃんがやり、アッキーはそれにくっついて行くようなスタンスを守っていきます。ここがまた山上兄弟らしくて、暁之進君独特の柔らかい甘えん坊的な魅力をお客様の至近できちんと味わわせます。それで、まだ中1のお兄ちゃんが可愛さを温存しつつもりりしく見えます。対比の問題なのです。マジック以外の要素ではあるのですが、中1と小学生の男の子の兄弟を見せる営業としては実に良くできています。お客様はマジックも見に来ているのですが、2人の家族としての兄弟の温もりも楽しんで帰ることになります。

 ショータイム以外の時間、2人がカフェにちょこんと座っていたりするのを見ました。ブルーと赤のピンチェックが可愛いショートスリーブにコンビなカスケット、白いパンツが涼しげなリトルマジシャンたちは、お店の一番奥のリザーブシートに陣取ってスタンバイしていましたが[ヨッチのブログの写真が、その席です]、お客様が気づいてカメラを向けると「フラッシュをたかないでね」と言ってちゃんとポーズをとってくれたり、話しかけるとニッコリしてくれたりなんてコトも?!(たいていヨッチね)。

 まだ、ホントに6年生らしい骨格になっていないイケメン小学生の暁之進君と、目もとのあたりがだんだんエキゾチックな感じになってきた(う~ん…メイク?!違うよね??)超ラブリーな佳之介君。もちろん、可愛い「てじなぁ~にゃ!」は健在です。時間になると、店の奥から店頭のキャシアーの前を抜けて、一般のお客様の肩の間を縫うようにしてステージにやってくる。その「芸能人を身近に見れた」感がお台場冒険王チックでホントに得した気分にさせてくれます。店の壁に貼られたマジシャン連の写真の中に、もちろんヨッチとアッキーの写真もあります。サインが入っていて、とくに暁之進君のファンには激ヤバの嬉しさです。これを見るだけでもシアワセな気分になれるかもしれません。

 約45日間以上にも及ぶ山上兄弟の夏休み出演が、こうしてついにスタートしました!「日本で一番(仕事で!)忙しい小学生&中学生の兄弟」…でも、実際はそれもみんなやってくるお客様のための時間です。お台場の後も秋口には新しい企画がしっかり入ってヨッチとアッキーを待ち構えているはずです。どうか身体だけは気をつけてね、と誰でも2人に言いたくなります。
 それでは!皆様も楽しい夏を過ごされますように!てじなぁ~にゃ!

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2007年05月05日

「変わりつつあるヨッチ」~山上兄弟ユアエルム青戸のイベント広場に出る

yourelm.jpg ユアエルム青戸で、ゴールデンウイーク中日にあった山上兄弟ショーを見に行ったのです。正直なところ、キャパシティー的にマジックショーを心置きなく展開できるようなオープンな場所ではなく、多様な層のおびただしいお客様を見込めるパブリックなスペースでもないのです。実際、午前中11時の回のお客様は殆ど立ち見を出しませんでした。でも、そこは山上兄弟。2時からの回では補助椅子が出て、その後ろに立ち見のお客様が一様に張り付き、満員御礼になりました。

 今回のショーの白眉はヨッちゃん。最初から最後までヨッちゃん。
中学生になり、それを実感として胸いっぱいに吸い込んで、ヨッチの体格は急にお兄さんらしい兆しを見せてきたように思えます。最上級生とは言え未だ小学生の弟を引き連れて、ヨッチのステージは続いているようなのです。声変わりの発端を思わせるような、声には僅かな微かな芯が出始めていました。舞台の上のヨッチはそれを上手に柔らかくハケて、お客様に優しい声を聞かせようとします。変声中のプロのボーイ・メゾのソプラノで仕事で歌っている男の子がかろうじてやってみて出来るか出来ないかというようなことをマジシャン山上佳之介はお客様に心配をかけないように実際の舞台でさも手慣れたふうにやってしまいます。
 趣味が「お化粧」で、自分の写真集のお気に入りの一枚が「女装」という佳之介君ですから、メイク済みのステージのヨッチャンは頬を赤らめた愛らしい男の子の姿で出てきます。でも、カッシリとしはじめた体格はもう明らかなように見えました。子どもっぽいちょこまかとした仕草はなりを潜め、落ち着いた若い大人のマジシャンの立ち居振る舞いが安心して見ていられます。ただし、そういう「変わりつつあるヨッチ」は、まだまだ一見のお客様にはストレートには判りません。だから暁之進君があどけなく見えます。もの凄いカワイさ、尋常で無いお茶目ぶりなのです。キラキラキララしているのはヨッちゃんではなく、搦め手のアッキーの方なのです。弱みに思われるところを自分たちの最大の味方へと逆転させて客席を魅せる。ここは明らかに山上兄弟の本領発揮でした。中学生ヨッチは、だからもう声が変わろうと、体がゴツゴツしてこようと、ファンにとっては怖いモノがありません。それを上手に見せて聞かせてお客様を楽しませていこうとする山上兄弟はおおらかに構えて楽しんでいるようにも見えます。

 弱点を味方にする仕事ぶりは暁之進君にもありました。
午前の回で復活カードをちぎり終えた暁之進君は、トランプの切れ端をハラハラと舞台に取り落としてしまいます。1枚、2枚…あとからあとから、何枚も、何枚も。6年生とは言え、まだ幼い感じの残る暁之進君の指の間から、ちぎったカードが散ってしまいます。男の子はそれを追いかけて追いかけて真剣に拾おうとします。お客様全員の視線が吸いつけられるようにそれを追っていきます。そういうわけで、もう見えそうになっている「復活カード」のタネの方に誰も意識が行きません。赤いベストをキリッと身に付けた男の子は、最後の1枚を拾い終えたところで、切って穴をあけたはずのカードをサッと広げてみせます。客席から「あっ!」という声が一斉にもれます。大逆転が鮮やかに人々を圧倒していきます。アッキー本人は決して意識してそれをやってはいないでしょう。神様が山上兄弟に味方をしているのです。11歳と12歳の男の子が「お客様を喜ばせたい」と本気で思ってやっていることですから、神様も味方をせざるを得ないように思えます。
 
 午前11時の回は、ほぼオンタイムだったのですが、山上兄弟は午後の回で1つだけネタを充填して縄抜けをやりました。客上げで時間的にはかなり水モノなのに2人のステージの押しはわずか2分間でした。段取りの変更でソデの魔女お姉ちゃまがたが苦労している気配を感じると、中学生ヨッチは機転を利かせてサッと「山上兄弟情報…スリー!」を叫びます。「山上兄弟情報」で「スリー」をやることは、劇場版のリサイタルを除けば本来あり得ないことなのです。モチロン、大活躍の山上兄弟なのですから、考えれば言うべきネタはたくさんあります。(今回は、最近大人気の東京タワー…ギネスミュージアムの山上兄弟・デビューネタ「ジグザグ」に言及していました)。暁之進君は定番のMCでお客様に「縛るのと縛られるのとどちらが好きですか?」と質問して、「縛る方」と聞こえたのですが、「Mですね。」と応じています。

 その他の大モノでは、リベンジとスクイーズアッキー、ラストにハウス剣刺しなどが並び、オープニング・チューブからお腹抜きとタップ&カードモンテまでの定番のメニューからシルクノット(ヨッチ)と復活カード・フラフープ(アッキー)、スカーフパラソルといったオーダーのごくスタンダードなステージでした。山上兄弟情報で、営業のマーリン本(『息子たちよ』)の間からまさか銀バトが飛び出してくるとは思っていないお客様がたの、その驚く声や姿を客席で見るのはいつも痛快ですし、「まじかるまじかるてじなーにゃ」の暁之進君のフラワーチューブのルーティンも究極の少年エロス(?!)で、ネタとしては全く新しいものや珍奇なものをやっていないのです。だから、余計にヨッちゃんの声や体格の方に目が行きます。弟君のお茶目な可愛さにもそれが繋がっていきます。何回も何回もステージを見ている人にとっても新しい驚きや発見と楽しさを味わわせる。山上兄弟のステージパフォーマンスに実はリピーターが少なくないのも、こうした二人の見せ方がキーポイントになっているように思えます。

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